新型コロナにかかったかもしれない②

新型コロナ

月曜日、朝起きた時点で「あ、これ会社無理・・・」と悟った。
起き上がることを体が全力で阻止している。
LINEで今日1日休むことを伝え、また眠ろうとしたが眠れない。これは相当熱があるな。
しかし体温計で測ってみたら「37.1℃」。
体感としてはインフルエンザの時のように「絶対熱あるやつ」だったがまたしても微熱だ。
おれは鬼嫁に会社を休むことを告げると、やつはヒステリックに言った。

「絶対医者行ってよね!ちゃんと検査してきなさいよ!」

えー?「大丈夫?お医者さんに診てもらった方がいいんじゃない?」となるのが普通じゃないか?
なまじっか検査なんか行ってほんとにコロナ陽性だったらどうすんだよ。知らないことの方が幸せということも世の中にはあるのだ。

「あたしはパートに行くから、絶対行きなさいよ!きっ!」
と言い捨てて鬼嫁は出かけていった。

クリニックって何時からやってんだろう。
9時だとすると今行っても相当待つだろうな。さすがにこの時期にクリニックの待合室で1時間とかいるのは嫌だった。結局11時くらいに行ったらやはり「1時間くらい待ちますよ」と言われ「近所なので一度帰ってからその時間に来る」というと、午後の部だったら1番目に入れてくれるという。午後の部とは3時半だが、まあそれでもいいか。
しかしいったん家に帰ると30分後ぐらいにそのクリニックから電話があり、順番が早く進んだので今くれば午前中に診てくれると。そこで再び出かけて行った。

クリニックの中は、医師はもちろん看護師も防護服を着てニュースの一場面を見ているようだった。
「微熱ですか・・・うーん・・・」
「味覚とかは正常で、呼吸も別に苦しくないんです。微熱とめまいがいつまでも続いているんです」

そのドクターはおもむろに茶封筒を出し、
「明日、この書類を持って保健センターでPCR検査を受けてください」と言った。

今考えれば当然の流れだろうが、まさかホントに自分がPCR検査を受けることになるとはまだ心の準備ができていなかった。もっと言えば、この時までコロナの検査は今ではどこのクリニックでもできて結果もすぐにわかるものだろうと簡単に考えていたし、PCR検査を受けるという意味も軽く考えていた。

家に帰ってから鬼嫁に「明日PCR検査を受けに行く」ということを告げると、鬼嫁は完全隔離体制に入った。

「この部屋から出るな」
「家の中でもマスクしろ」
「今(体温)何度?」

そしておれが通った後は手すりやドアノブなどをこれ見よがしに殺菌消毒していった。
おれの指先から見えない糸のようにコロナウイルスが放射されているとでもいうのか。

しかしこの日、徐々に熱が上がりだした。
鬼嫁がうるさいのでしょっちゅう体温計で測っていたが、コンスタントに37.7℃、37.8℃あたりで停滞し、その後38.4℃くらいまで上がっていった。

「今、何度?」
「んー、37℃ちょっとかな」

とおれはウソをつき続けた。
38℃超えは夜まで続いたが、これも不思議なことに不快感がそれほど感じられなかった。
しかし熱が続くとコロナが濃厚になってくる。それだけは何としても避けたい。
冷静に考えれば考えるほど、コロナにかかるというのは、インフルエンザにかかりましたというのとはわけが違うのだ。

第一部 コロナウイルスは今もあなたの隣にいる

第三部 コロナウイルスは今もあなたの隣にいる

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