コロナワクチン接種第1回目に行ってきた

エッセイ

ワクチン接種日だ。
社内ではすでに3名ほどが打っており、そいつらの証言によると「打つのは一瞬だけど翌日に腕が痛い」というのが共通していた。中には「腕の痛みで夜中に起きてしまった」という奴もいた。
そんなに痛いのか。
ワクチン接種に関しては、ネット上ではひたすらその危険性を訴えるものから「打つでしょ、普通」というものまでまさに情報が玉石混合で、特に「今まで元気だったのにワクチンを打った3時間後に急変して死んだ。ワクチンさえ打たなければ・・・」などというのを聞くと、やはり気持ちがひるんでしまう。また「メッセンジャー型ワクチンは体内に入った瞬間にDNAを書き換えてどうのこうの・・・」とか「医師と弁護士がワクチン接種の中止を求め記者会見」などのニュースを見るとやはりできればそんなもの打ちたくはないと思う。
実際に打とうと決めたのは、メンタリストDaigoの説明が極めてクリアだったからだ。

「ワクチンを打つことによる副反応と、打たないでコロナに感染し、その後遺症と、どちらのリスクを取りますか」

なるほど、そうだ後遺症のリスクなんだよな。
コロナの後遺症の話、これもさんざん経験者がyoutubeなどで話しているが、これらの後遺症についてはいつ治るのか、はたまた治らないのかもよくわかってないらしい。
それが事実だとしたらかなり厄介だ。階段を上っただけで息切れがするとかいまだに味覚がおかしいという話も聞く。おのれのQOLは著しく低下を強いられるだろう。
しかし副反応で死者が出ている、というのはどう解釈したらいいのだろう。それらは高齢者とか基礎疾患があったという人たちに限ったことなのだろうか。
もし自分がワクチン接種によって死ぬようなことがあったら、それはもうあらかじめ決まっていた寿命、死期のタイミングなのだろうと思うことにした。

予約していたクリニックに行くと、すぐに処置室に通された。このクリニックはドクターが無愛想だがこの看護師はフレンドリーだった。
「腕をまくって肩をだせますか?はい、そんな感じで大丈夫です。少々お待ちくださいね。(奥の方に向かって)ワクチンお願いしまーす」と看護師が言った。
そのまましばらく待っていた。何気に机の上を見ると、トレイの中に注射器が見えた。
「もしかしたら、これ、刺すんですか?」とおれは看護師に訪ねた。
「はい!」
よくよくそれを見ると、針が長い。筋肉注射だからおそらく垂直に刺していくのだろう。それにしちゃちょっと針、長すぎないか?
「あの・・・これ、針ずいぶん長いですよね」
「あ、でも針も細いですし一瞬ですから」
おれはワクチン接種よりもその注射器の方が気になっていた。よくテレビで接種会場の模様を映していて、腕にブスッと針が刺さっていく光景が浮かぶ。
あの長い針を根元まで刺すとしたら相当痛いだろうな。よくみんなこんなの打つよな。
筋肉注射は昔、胃カメラを飲むときに経験したことがあるが相当痛かった記憶がある。針を無理やり押し込んでいくイメージだった。
やがてドクターがやってきて、一言もしゃべらずおもむろにおれの肩口に照準を当てた。おれは焦った。
「え、え、ちょっと・・・」
刺す位置を消毒し、あ、来るっ!と思ったら

「終わりです。15分間は院内にいてください」
と言ってドクターは別の診察室に行ってしまった。

ホントに一瞬で、もっと言えば刺したことさえ分からなかった。もちろん痛みもない。
注射を打ったという実感がないまま15分待ったがもちろん何も起こらない。
今までおれは何を心配していたのだろう。あるいは本人は気づかないだけでおれの体内では恐るべきスピードでDNAが変換されているのだろうか。
「2回目は翌日から予約ができますよ」と看護師に言われた。
もちろん早速予約した。

ワクチン接種、申し込みますよ

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