第三部 コロナウイルスは今もあなたの隣にいる

「コロナにかかるとどうなるのか」
これは罹患した本人の症状やその後の後遺症等々はさんざん報道されてるからおおよそイメージは沸く。しかし問題は本人だけにとどまらず、周りの人の被害も大きい。これがインフルエンザと最も大きく異なる点だろう。
仮に明日受けるPCR検査でおれが「陽性」判定が出たとしよう。実はテニス仲間に市立病院で現役看護師をしている知り合いがいるので聞いてみた。
「もし陽性と言われたら、次にどういうことが待っているの?そこの病院に強制入院?人工呼吸器1台キープしておいてくださいね」
「保健所から指示が出るみたいですが、あなたはどこかに隔離されるでしょう。家族も検査になるでしょう。いずれにしても結果が出るまでは家庭内隔離された方がいいですよ。人工呼吸器って、看護師なんかにキープできる権限あるわけないじゃないですか」
なるほど、家族も検査か。ということは次の3つの選択肢が考えられる。

①すでに家族全員コロナに感染している
②鬼嫁も陽性だが子供は陰性
③鬼嫁は陰性で子供は陽性

一番困るのは②で、おれと鬼嫁が陽性、子供が陰性のパターン。この場合、我々はどこかに隔離されるとして、子供はいったいどうしたらいいんだろう。2週間も自宅で一人で食事・洗濯もろもろ乗り切れというのだろうか。もし子供が幼稚園児や小学校低学年だったらどうするのか。そういうケースは結構あると思うのだが(素朴な疑問)。まあしかし嫁は鬼なのでコロナよりも強いだろうからこいつが感染するわけないか。こいつを倒せるのは鬼殺隊の柱だけだろう。

しかし今回、おれにはどうしても陽性であってはならない理由があった。
それはちょうど先週の金曜日、社内でウォーキングチャリティがありそのあとめまいの薬を求めて耳鼻咽喉科へ行った日だ。その日おれは92歳になる母親のいる実家に帰っていたのだ。母親は年齢的にコロナに感染したら完全にアウトだ。そして間が悪いことに、翌日におれの姉が実家にやってきた。姉は3年位前にガンの手術をしている。やはり感染は相当マズい。

そしてその次の日曜日のテニスレッスン。メンバーの一人に難病持ちがいる。病名は忘れたが難病指定で、1年くらい前にも何か月も入院していたのだ。よく難病でテニスなんかできるなと思うが結構上手い。本人曰く「数年に一度、長期入院をするような事態になるんですがそれ以外は普通なんですよ」と言っていた。しかし彼に移していたらかなりヤバいことになるだろう。さらにさらに!彼は80代のお父さんと同居しており、このお父さん元気なのだが持病がなんと白血病。実はこのお父さんもテニススクールの会員で普通に走ったりしちゃう鉄人のような人(しかも上手い)なのだが、何か月か前に会った時に「いやぁ、肺に水がたまっちゃって大変なんだよね」と笑っていた。やはり移したら大変なことになる。
こう考えていくともしおれが陽性だった場合、おれは一気に4人を殺しかねない状況になってしまう。自分だけのことならともかく、他人に迷惑をかけるわけにはいかないし、まして最悪の事態になったとしたらもう責任の取りようがない。

人は弱っているとき、どうしても発想がネガティブに傾く。PCR検査を明日に控え、おれの頭の中はネガティブな想像に満たされていた。

そしていよいよ火曜日
不思議と熱は下がり、味覚も正常、呼吸も問題ない。急に検査に行くのがおっくうになってきた。これってすっぽかしたらどうなるんだろう。あれこれ考えたがやはり今更断るわけにもいかないだろう。
あきらめて検査を受けることにした。今ニュースでよく見かける「ドライブスルーPCR検査」だ。指定された時間におれは言われた通り、車で向かった。

第一部 コロナウイルスは今もあなたの隣にいる

第二部 コロナウイルスは今もあなたの隣にいる

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