太陽光発電の訪問販売がやってきた。
これまでも太陽光発電の訪問販売は何度か来ていたが、ことごとく断ってきていた。
その一番の理由は
「損なのか得なのかよく分からない」
の一言に尽きる。
「ただ今キャンペーン中で、費用は一切かかりません」と言いつつ、無料なのはパネルだけで工事費は別途必要だったり、その逆の「工事費だけは無料だけどパネルは有料」などもあったような気がする。
※記憶にあまり自信が無い…
昨日来た営業マンは「NTTのなんとかかんとかです」と言ってドアを開けさせた。
いろいろ考えるもんだ。
確かにNTTの作ったモニターと組み合わせるそうなのでまるっきりウソではない。
最初から正直に「太陽光発電の訪問販売です」と言ってドアを開けてくれる家はまず無いだろう。
「太陽光発電を検討されたことはありませんか」
「無いこともないが、うちには金が無い」
「お金は一切かかりませんよ」
「それは工事費かパネルかどちらかにかからないという話でしょ」
「いえ、すべて一切かかりません」
「じゃあどうやってあなたの会社は利益を取るのさ」
「ローン会社の手数料です」
「ローン?なんでローン?結局ローン組むんじゃん」
「いえ、200万くらいのローンは確かに組んでもらいますが、その支払いは東電から売電の料金が振り込まれるので、実際にお客様が支払うことはないのです」
そんなウマい話があるもんか。
営業マンの話を要約するとこういうことらしい。
分かりやすい数字に置き換えると、
太陽光パネル代、工事費もろもろで200万円のローンを組み月々1万円の200回払い(例えばの話)にする。
すると毎月1万円引き落とされると同時に東京電力に売った電力で8000円振り込まれる。
さらに今まで払っていた東電への支払いが8000円だとすると、これがまるまる浮く。
合わせて16000円。ここからローンの1万円払っても6000円の利益になる。
理屈としては分からないでもないが、果たしてそんなにうまく行くものだろうか。
この論理が破たんするとしたら、
①東電からの振込額が実際は全然少ない場合。
②途中で家を売ってしまったらローンはそっくりそのまま残る。
このどちらかのケースだろうか。
いや待てよ。
今までは「太陽光発電は何年で元を取れるか」というのが大抵ネックになるところだったのに、この営業マンの話では、実質最初から元が取れてることになってしまうではないか。
そんなウマい話があるわけない!
絶対に何かトリックがあるはずだ。
「何か資料があれば置いていって。よく考えるから」
「いや、まずはご提案書をお作りしてその際に詳細な資料を付けています。まず屋根の慨寸だけ測らせていただいてご提案の時間をください。今晩8時くらいはいかがでしょうか」
おお出た、まさに訪問販売の常套手段。
相手に考えたり比較検討の時間を与えない戦法だ。
「寸法は測って行ってもいいけど話を聞くなら来週の土曜とかの昼間ですね」
「1週間後ですか、明日か明後日の夜はどうですか。夜10時くらいまでOKですから」
「いや、夜は何時に帰ってこれるか分からないのでやっぱり落ち着いて話が聞けるのは土曜日ですね」
「NTTの無料モニターの機械が限定10棟なので・・・」
「あ、別にそれが無くてもいいから」
営業マンは諦めて来週土曜日に来ることになった。
次はどういう戦法に出るだろう。
百戦錬磨の上司でも連れてくるだろうか。
単身で来たら話はちゃんと聞いてあげよう。
おれはその営業マンの名刺を見た。
「ホームページにも出てますので見てください」
と営業マンは言っていたが、そいつの名刺にURLが出てない。
詰めが甘すぎる。何でこんな初歩的なことが出来ていないのだ。
今時名刺にホームページのアドレスを入れないなんて!
おれは若干イライラしながら検索すると、その会社はすぐに見つかった。
そして会社概要を見ると、そこにはなんと夏川結衣似の女社長の写真が載っていた。
こんなきれいな人が社長とは。
いやいや、うまい話には絶対裏があるはずだ。
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