【家族旅行】発熱39.6度の下田…中編

エッセイ

前の晩は「なんとしても治さねば・・・」という焦りから、かえって眠れず、おそらく眠りについたのは深夜の2時過ぎだったと思う。
それから少し夢を見て、朝5時半に起きた。
なんとか熱は下がっていたが、カラダがふらつく。
何しろ39度を超える熱が出ていたのだ、そう簡単に全快するわけが無い。
しかし妻には「全然平気」とうそをつき、6時半に出発した。

我が家から下田に行くためには、まず常磐自動車道に乗り首都高へ出て東名自動車道へというルートだが、この日は平日の金曜日。当然常磐道は牛歩の渋滞だ。ここを抜けるだけで2時間かかった。
渋谷を抜け、東名に入ると事故渋滞が待っていた。町田付近とその先の2ヵ所で事故だという。
渋谷から延々大渋滞が続いた。しかも渋滞の最中に会社から「緊急!」といって何度もメールが届く。これがまた弱ったカラダにさらに精神的ダメージを与えていく。

何も無ければ午前中で現地に着くはずだったが、海老名サービスエリアに到着したのが1時半だった。
サービスエリアでは「夕飯が豪勢だろうから昼はあまり食べない」と言って菓子パン1個にした。
本当は食欲がまったく無く、夕飯もいらないくらいだった。

下田に到着したのは結局4時過ぎだった。
朝6時半から4時まで10時間も運転していて体調が戻るはずも無い。

ホテルに着くと、フロントの向こうにバルコニーがあり、その先に海が広がっていた。
子供とバルコニーに下りると、「パパ、肩車!」と子供が私を見上げた。
肩車か・・・今日だけは勘弁して欲しいんだがと思いつつ、痛む節々を気にしながら肩車してやった。

夕飯は部屋食だった。
ここに限ったことでもないが、なぜホテルや旅館は絶対食べきれない量を出すのだろう。
あるいは他の客はみんなこの大量の食事をきれいに平らげているのだろうか。
いや、絶対そんなはずは無い。
せっかくの豪勢な夕食もこの日は単に皿を空にするのをこなしていくだけだった。

今日は早めに寝て明日こそ全快にしなければ。
数時間しか寝てなくて、車を10時間も運転してたんだ。
今日こそはゆっくり眠れるだろう。
しかしそんな私の期待は甘かった。

つづく ⇒39.6度の下田…後編

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