「ストレッチ専門店」というものが流行っているという。
街中でよく見かける「60分2,980円!」のマッサージや整骨院、古式タイマッサージなどは何度も受けたことがあったが、これらの店で共通して言えるのはいわゆる「もみほぐし」が基本だ。
ストレッチ専門店は違うらしい。
1時間ストレッチだけやるってどんな感じなんだろう。
かなり興味があった。
最近会社の近くにも某有名ストレッチチェーン店がオープンした。
「初回60分3,750円!」と看板に出ていた。
予約してみようとホームページを見たが、同時に意外な情報も出てきた。
「リピートの営業がスゴい」
「次の予約をするまで帰れない」
ホントかどうかわからないがその会社の従業員も
「研修では技術よりもいかに契約させるかを重点的にやってた」
などの書き込みもあった。
結局こうなるのか。
何年か前に会社の近くの接骨院に行った時に、不覚にもその後のコースを申し込んでしまったことがありすごく後悔した。ここもチェーン店だったが「猫背矯正」とかいって週2回、半年くらい通った。
自信をもって断言するが効果はゼロ。
全く改善しないくせに彼らが最後に言ったセリフは
「あと半年くらい続ければ・・・」
「ここでやめちゃうのはもったいない・・・」
今ならわかるが、彼らのやり方はたいてい決まっている。
施術前にiPadで前と横から写真を撮り、そこにフリーハンドで線を引いて
「こんなに顎が前に来てるでしょ」
「こんなに背中が曲がっちゃってるでしょ」
といい、それから入念なマッサージを行う。
そしてもう一度写真を撮り、
「ほら、こんなにまっすぐに!」
これって怪しい健康グッズの会社が
「前屈してみて。ああ、けっこう固いですね。じゃあこれをつけてもう一度やってみて。ほら!こんなに曲がった!」
とやるやつと同じだ。
1回目よりも2回目の方が曲がるに決まってる。
接骨院の場合、
「この状態は2週間くらいで戻っちゃうので、その前にもう一度やっておいた方がいい。これは長年の癖になっちゃっているので継続しないとすぐに戻っちゃうんですよ」
ほとんどの店でほぼこの内容の営業トークが展開される鉄板のセリフでもある。
「初回限定○○○○円」とか「お試し価格○○○円」とか書いてあっても、結局帰り際には数万円のコースの契約を迫られる。
1,000円や2,000円で釣っておいて高額商品を買わせるという、まあそれはそれでどこにでもありそうなやり方ではあるが。
最近全国展開で躍進しているそのストレッチ専門店の「契約するまで帰れない」トークって一体どんなもんだろう。別の意味でちょっと興味も沸いたが、まあ相当うっとうしいんだろうな。
そんなさなか、通勤の乗換駅のすぐ近くにもストレッチ専門店があるのを知った。
『トップストレッチ』という店で、Hot Pepper Beautyでレビューをみても評判は悪くなかったので、
サービス出勤したある土曜日、予約して行ってみた。
店内は施術用のベッドが3台ほどあるだけの極めてシンプルなものだった。
今日担当してくれるのは20代半ばくらいの、かわいいがちょっと厳しそうなお姉ちゃんだった。
なんでもずっと空手をやっていて大学では全国大会の決勝まで行ったらしい。
なので厳しさが垣間見えたのだろう。
「ストレッチはただのマッサージと違って筋肉の深部まで刺激していくので、運動しているのと変わらないのです。だから明日は筋肉痛になるかもしれません」
「はい、で、私はどうしてればいいですか?」
「何もしなくていいです。力を抜いて寝てればいいんです」
言われたとおりに力を抜いてただ寝ていた。通常のマッサージが
「押したり揉んだり」というところを、
「伸ばしたり引っ張ったり」に変えた感じか。
内容はまさに「人にやってもらうストレッチ」で、マッサージや整体よりもこっちの方が気持ちいいかもしれない。
ちなみに当然帰り際には似たような営業トークはあったがわりとあっさりしていて
「では都合のいい時にWEBか電話で予約してください」
という程度で終わった。
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