神社には本物の龍いるという話⑩~神の宿る山、皆神山の謎

パワースポット

野尻湖からホテルに戻り、

長野駅の駅ビルの中の有名店で戸隠蕎麦を食べ、

またホテルに戻り、

屋上の展望風呂に入り、

部屋に戻り、

おれは考えた。

ずっと感じていたことでもあるが、一人旅というのは誰にも気を使わなくて済む反面、どうにもわびしさや寂しい気分がついて回る。
要はあまり面白くないのだ。

明日、一応松代にある皆神山、その頂上にあるという皆神神社に行こうと思っていたが、どうにも無性に帰りたくなったきた。
「朝食を食べたらそのまま帰りたい・・・」
行きたくもないものを無理に行ったって意味ないんじゃないか。
そもそも神社巡りなんて意味あんのか。
それで何かいいことでもあったのか・・・。
皆神神社だってYoutubeで見てると相当不気味だし、行く道だって結構な山道だって言うし、なんか呪われたりしたらヤダし・・・。
今は「風の時代」と言われている。我慢をして何かをする「土の時代」ではないのだ。
頭の中は明日、何もしないで帰ることの正当性をひたすら並べ立てていた。
おそらく人は大人になるにつれ、暗いところや孤独の中ではとにかくネガティブ思考に走る生き物なのだろう。一人で地方のビジネスホテルのベッドの上で寝そべっていると、思考はとめどなくネガティブスパイラルにはまって行った。

翌朝、目が覚めると今日もいい天気だった。すると昨夜のネガティブ思考が一気に薄れていく。
「どうせ帰り道だし、行くだけ行ってみよう。どうせ帰り道だし」
もし雨や曇りだったら間違いなくそのまま帰っていただろう。

本日の朝食も蕎麦だけだ。このホテル、朝食の蕎麦一択方式は真剣に考えたほうがいい。連泊する人だっているんだ。

帰り支度をしてチェックアウトをして車に行き、カーナビでルートを検索した。が、皆神山も皆神神社もカーナビに出てこない。住所で検索しても出てこない。
とりあえず近くにあるらしい松代高校を入力してその方向に進んで行った。
しかしなるほど近づけば皆神山自体は簡単に見つかった。

目立つのだ。
ホントに唐突に小さな山がドンっとおいてある感じだ。
しかし問題は、どこから入っていくのかがよくわからない。
登山道と車道が同じとWEBには書いてあったが・・・。
山の周りに沿って走っていくと、皆神山入り口の看板が見えてきた。


その農道のような道を入っていくとそれはどうやらそのまま山の中へつながっているようだった。
「え、まさかここ入っていくの?車で?」

どう見ても車で行けるような道とは思えなかったので車を降りてその道を少し歩いていってみた。
車で行けなくもないだろうがすれ違いは厳しそうだった。
しかし車をどこかに止めて歩いていこうにも、麓(ふもと)には駐車場らしきものはどこにもない。
意を決しておれは車でその道へ入って行った。

皆神山は659mというから高尾山と同じくらい、と思っていたら「標高659m」で、実際の高さは280mくらいらしい。
くねくねした山道を、対向車が来ないことを祈りながら登って行ったら意外なほどあっけなく頂上まで行ってしまった。時間にしたら10分かかったかどうかというぐらいだ。

そこに皆神神社があった。事前に情報としては知っていたが、隣に駐車場(と言ってもただの広場)があり、そこに不思議な説明看板がある。文字もだいぶかすれていてよく読めないが、おおざっぱで超簡単にまとめて言うなら、ここに書いてあるのは

この山は重力制御技術で人工的に作られたもので、今から2~3万年前に出来た。これを作ったのはスサノウノミコトという高い知能を持った集団。地球上の各地や、宇宙空間への航行基地として造られた
というようなことだ。今よりもはるかに科学が進んでいた超古代文明によって造られたUFOの発着地ということか。スサノウノミコトは古事記に出てくる神だが、個人ではなくグループ名ということなのか。

これだけ大きな看板が堂々と皆神神社の駐車場に掲げられている以上、これはもう皆神神社の「オフィシャル」な見解であり声明ととらえて文句あるまい。


朝8時頃の境内、当然おれのほかには誰もいない。
静まり返った境内はなにやらただならぬ雰囲気があった。
駐車場の脇、本殿の後、さらにもう一カ所で結界が張られていた。


ご神木はこれも磁場の関係か、デカい巨木ではなく奇妙にくねくねと曲がった異様な形態だった。京都の鞍馬山や秩父の宝登山神社でもゼロ磁場と呼ばれる場所の木や根もこんなふうにうねるような形をしていた。
「宇宙エネルギーが降り注いでる」と言われてもあながち否定できない雰囲気だ。
そもそも「宇宙エネルギー」ってなんだ?という疑問はあるにせよ、何かの力が働いていることは確かだろう。


本殿も神秘的だったがその後ろにもう一つ神社があった。なんと「富士浅間神社」と書いてある。
おお、富士山ともつながっているのか。
やっぱり富士山に呼ばれているのか。
いやそうに違いない。
そうとしか考えられない。
いや絶対そうだ!

頂上からの見晴らしスペースに出てみた。
すると雰囲気的にフレンドリーなカラスが一羽、こちらを見ていた。


280mから見渡す景色は緑の山々で美しいのだが、残念ながらこういうのに感動する感受性が欠如している。
代わりに誰も見てないのを確認してから両手を空に向かって伸ばし、空を見上げた。
せっかくだから宇宙エネルギーを全身に浴びるのだ!
と、見上げた空に・・・

「あ、龍だ!」

空の雲が龍の形になっていた。いつもはこじつけ的に「龍雲」を見つけようとしていたが、この時は素直にそのまま龍に見えた。
ちょっとした満足感だった。
顔を降ろすとさっきのカラスがまだこちらを見ていた。

昨日までは「もう帰りたい」だの「こんなの意味あるのか」とかさんざん泣き言を言っていたが、すべてが報われたようなポカポカした気持ちになった。

なんか今日、やっぱりここへ来て良かったな・・・

※参考URL(皆神山についてかなり詳しく解説している):パワースポット研究所

おわり


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