パーティー

社畜日記

パーティーというものが大嫌いだ。
正月は賀詞交歓会から始まって協会や団体の総会があれば必ず懇親会がついてまわる。

おれは昔から人一倍人見知りをするたちで、知らない人でも誰とでも気軽に話をできる、という人を見ると素直にスゴイと思う。
かなり前に、いかにも社交的な部下に
「お前、パーティーとか行ったらどうしてる?」
と聞いてみたら、そいつは
「そこにいる全員と名刺交換したいですね」
と言った。

なんてやつだ、頭がおかしいんじゃないか。
こんな奴がこの世に存在したのかと驚きだった。
そういえば会社でおれの席の前に座っている女は、スーパーのレジで並んでいる時に、前後の人たちに「これっておいしいよね~」などと話しかけてしまうという。

パーティーで何が嫌かというと、まず自分も周りにならってうすら笑いのインチキ笑顔を作っていなければならないというのがたまらなく苦痛だ。
楽しくもないのにへらへらしている自分も許せない。
知らない人に自分から話しかけていくなんていう芸当もおれにとってはかなり難易度が高い。
しかし仕事上、どうしても出席しなければならない時ももちろんある。
そんな時、見知らぬ人とお互いあたりさわりのない世間話をしている自分というものがまたイヤなのだ。
だからぐったりと疲れてしまう。

社会人たるものそれではイカンと、己の人見知りと非社交性を克服するために以前、ある懇親会で怒涛のごとく片っ端から名刺交換に挑んだときがあった。
名刺も何十枚もゲットした。
しかし苦手意識はどうにもならなかった。
もうこれは向き不向きというしかない。
おれにはこういうのは向いてないのだ。
向いてないことをするから疲れる。
無駄に疲れることはしないに限る。

これもずいぶん昔の話になるが、あるパーティーでUFO研究家の、あの矢追純一に会った。
まったくの初対面ではなかったのと、矢追純一が非常に気さくな人であったということもあって、この時は珍しく自分から声をかけた。

「矢追さん、ところでソ連の火星探査機フォボスはなぜ毎回着陸直前で交信を絶ってしまったんでしょうね」
「まあ、おそらく火星に見せたくないものがあったんでしょう」
「やっぱり火星に知的生命体がいるんですか」
「まあそう考えたほうが自然ですよね」
「ところで例の宇宙人解剖のフィルムですが、あのビデオの信ぴょう性は…」
「ああ、あれはねぇ・・・・・」

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