未知のウイルス、AI、巨大隕石『人類滅亡計画書』

映画の部屋

Amazonプライムビデオで何か新しいのが出ていないかと検索していたらちょっと面白そうなのが出てきて、予告編を見たらきっと面白いだろう、と思ってみたのが『人類消滅計画書』だ。
韓国映画で、映画の中ではまだガラケーを使っていたので結構前の作品なんだろう(2013年?)。
最初、これはよくある人類滅亡をテーマにしたものだと思っていた。予告編を見ると、「謎のウイルス」「AIロボット」「巨大隕石の接近」と、なかなか面白い組み合わせだし、どんなストーリーになるのかと期待したが実際は3つの異なるストーリーからなるオムニバスだった。

第1部は未知のウイルスが蔓延するところから始まる。まるで現在の世界を彷彿とさせるような響きだが全然別ものだった。そのウィルスは「濃厚接触」するとゾンビを作り出すというもので、街中がゾンビだらけになる。終わり方も「え、ここで終わっちゃうの?」というなんとも消化不良な終わり方だった。

第2部はAIロボットが人間よりも先に「悟り」を開いてしまう、というストーリー。人間の苦悩に対しAIロボットが答えを出し、それをありがたく拝聴する、という光景も異常だが、アカシックレコードを学習したAIなら可能かもしれない。

第3部は巨大隕石が地球目指して飛んでくる話だが、その「飛んでくる理由」、これは笑うところなのかが謎だった。

全部見終わった後、やはり『パラサイト(半地下の家族)』を見た時のような共通の印象が残った。ハリウッド映画のような爽快感でもなく勧善懲悪でもなく、絶望的な悲壮感というほどでもないが、おそらくこれは韓国映画の文化というか正攻法というかお約束というか、とにかく「このエッセンスを入れなくきゃ映画じゃない!」というものがあるのだろう。この映画、何かに似ている・・・と思って思い出したのが黒澤明監督の『夢』だ。これもオムニバス構成の作品だ。第3部は完全に『アメージングストーリー』のテイストだ。
オムニバスなんかにしないでこの3つのテーマを組み合わせてストーリーを作れば相当面白いものになると思うが・・・。

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