神は存在しないと科学的に証明した?『プルーフ 神の存在』

映画の部屋

※ネタバレ含む
評価はかなり分かれているようだが発想は悪くないかなと。
『プルーフ 神の存在』。キャッチコピーには「驚愕のオカルト・サスペンス衝撃作!」と書いてあった。本来私はオカルトとかホラーはかなり苦手で、怖いもの見たさに『リング』を観たときはホントに後悔した。貞子が井戸から出てきて、そのままテレビから這い出してきたときは大げさでなく全身鳥肌が立ち、思わず叫びたくなった。おそらく『呪怨』なんか予告編も無理。そういえば『エクソシスト』が公開した時、日本は空前のオカルトブームが起こった。今になって冷静に考えれば極めて滑稽な現象だが『エクソシスト』はそれまであった「怖い映画」の常識を根本的にひっくり返すほどの衝撃があった。「実話」というのがよけい怖さを引き立たせた。

『プルーフ 神の存在』は、まあ見終わってみれば確かにオカルトの要素もあるのだが・・・
女性物理学者が「神がいないということを科学的に証明する」という話だ。
超自然的な力が働かないと宇宙はできなかったという教会関係者たちに猛然と議論を挑む。
この女性物理学者、きれいな人なんだが結構きつい。そしてある日、過去に活躍した著名な科学者が
「あなたを応援したい。神がいないという完全な証拠があるから興味があるなら来て」というメッセージを受け取り、山奥にあるその科学者の家に行く。年老いた科学者にその「完全なる証拠」が書かれた数式のようなものを見せられると「これよ!これが分からなかったの!」と喜ぶ。老科学者に「私はもう地位も名誉も興味ないから、あなたの発見として発表して」と託された。美人物理学者は悩むが言われたとおりに発表し、その年の天文物理学賞を取る。
当然世界は大騒ぎだ。暴動も起きてる。何しろ「神が存在しない」ということを一切の反論の余地を残さずに証明してしまったのだ。神を信仰していた世界中の人々の心のよりどころを一瞬にして奪ってしまった。ついに念願かなって証明してみてたものの、美人学者は「本当にこれでよかったのか」と思い悩む。「たとえ真実であったとしても、発表しない方がよかったのではないか」
そしてまた山奥に訪ねていくと、そこには20歳に若返った老科学者がいた。要は美人学者は悪魔にそそのかされて悪魔の言う通りに動いていただけだった、という結末だ。

もし神がいるならなぜ美人科学者が悪魔にそそのかされてるのを最後まで黙って見てるのだ、と言いたくもなるのだが。「真実なら何でもかんでも公表すればいいというものではない」ということも確かにあるんだろう。



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