「怪獣映画?」と思ってなめたらいけない。
この特撮は目を見張るものがある。
この映画の公開時、おれはもちろん社会人だったがどうしても大きなスクリーンで見たかったので、会社帰りに一人でこっそりと有楽町マリオンの最終回を観に行った。
しょっぱなから度肝を抜かれた。
狂暴化したガメラがギャオスの群れを追って渋谷の駅前で大暴れをする。
この特撮がスゴイ!!!
3部作からなる新・ガメラシリーズを作ったのは金子修介という監督らしいが、天才である。
70年代、子供の味方としてペット化され、牙を抜かれたガメラを見事に大人の鑑賞に堪えうる作品に仕上げた腕は天才といっていい。覚えていないがこの映画、何か賞、取ったのかな。
おれが初めてガメラを見たのは東京・三鷹の駅の近くにあった小さな映画館だった。
おれと姉がおばあちゃんに連れられて行ったのだが、なぜかおばあちゃんは映画館には入らず、おれと姉だけで観た。確か「大魔神」と「ガメラ対ギャオス」の2本立てだったと思う。
おそらく幼稚園児か小学校に上がりたてだった当時のおれの記憶としては、「大魔神」はただ恐ろしいだけの映画で「ガメラ対ギャオス」は大魔神の印象と重なって妙に重たい記憶として残っている。
『ガメラ』の第1作目は1965年というからゴジラから9年遅れのデビューとなる。
大映はいち早くガメラを子供の味方路線で売り出し、優しいヒーロー怪獣になり、「ガメラマーチ」なる主題歌もでき、やがてゴジラ同様に飽きられていった。
そんなガメラが復活したのが1995年のいわゆる「平成ガメラ」3部作だ。
特に3作目では顔も凶暴になり特撮も迫力満点だったが、子供の味方というコンセプトは崩さなかった。ブレなくていいという話なのか、だから詰めが甘いのか。
もしおれが監督だったら地球を破壊する人間に徹底的に抗戦するというスタンスにしたい。
やはりこれからは「大人向け」にリメイクして行くことが正しいマーケティングと言える。
ハリウッドは早くガメラを制作してほしい。
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