超初心者が挑む富士登山⑮~燃え尽き症候群

富士山

「富士登山」という、おそらくここ数年では最大のイベントを終え、予想はしていたが燃え尽き症候群のようになってしまった。
当面何の目標もない。
おもえば「富士山へ行こう」と思い立ってからの1カ月半、毎日がワクワクしていた。
直前一週間はほとんど仕事も手に着かない状況だった。

これだけエキサイトしたイベントも珍しい。
そしてそれが終わってしまった今、とにかくこの腑抜けの状態を脱出したい。
かといって登山に目覚め、「次は北アルプスだ!」などという気持ちはさらさらない。
もともと登山が好きだったわけではなく、富士山だからこそ特別な価値を認めていただけだ。

そんな腑抜けの状態を見た会社の後輩は
「ソロキャンプとかやってみたらいいんじゃないですか」
と提案してきた。
確かにブームだし、キャンプ場へ行けば道具もフルセットでレンタルできるのだろう。
しかし・・・

「ソロキャンプに行って何するの?」
「バーベキューとか・・・」
「食べ終わってから何するの?」
「焚火とか・・・」
「一人で焚火?それ見てどうするの?」
「心が落ち着くと思うんですよね」
「ずーっとただひたすら焚火見てるの?」
「・・・」
「そもそも昼間は何してるの?」
「もういいです・・・」

昔の会社の後輩に星野よしおというやつがいて、今はYoutuberになってしまったが、そいつは確かにブームになる前からソロキャンプをやっていた。しかしこいつの場合、メインが釣りだったので、釣りに行った時にテントを張って、夜にそこで酒を飲みながら寝るというだけの話で、おれは釣りはしないので一体昼間何して時間つぶせばいいのか分からない。

別の奴が
「スカイダイビングなんかどうですか」
と言ってきた。

そういえば相当昔だがやはり会社にいた後輩がとある財団法人だか一般社団法人だかに転職し、その職場のあまりの退屈さに思い余ってスカイダイビングにハマっていた。
「よりによってなんでスカイダイビングを・・・」
「日常があまりに退屈すぎるとその反動で巨大な刺激が欲しくなるんですよ」

確かに刺激としては大きすぎるが、それははたして気持ちのいい刺激なのだろうか。
飛び降りる瞬間の恐怖と引き換えにパラシュートが開き、はるか上空から地上を見下ろした時の「絶景」。それはまさに飛行機から飛び降りなければ決して体験できない、ということだろうか。
しかし何が悲しくてそんな自殺の疑似体験をしなきゃならないんだろう。まだバンジージャンプの方がロープで現世とつながってる気がする。

富士山に匹敵するイベント、あるいはパワースポットはあるのだろうか。


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