最強のケバブ

グルメの部屋

ケバブの店は全国あちこちにあり、まあ大抵そんなにハズレの店は無いのではと思う。
つまりどこで食べてもそこそこおいしい。値段もたいてい500円から600円といったところだろう。
最近会社の近く、JR神田駅のガード沿いにこぎれいなケバブ屋ができた。
店内にも少し席があり、そこでも食べられるようだ。


先日夕方に行き、一応基本でもあるケバブサンドを頼んでみた。

「ケバブサンドのMIXに、ソースはピリ辛で・・・テイクアウトで」
「カシコマリマシタ!」

店の人は日本人ではないがとても丁寧な人だった。
外から作ってるところをボーっと見ていたのだが、その人は肉の塊(ドネルと言うのか?)から肉をそぎ始めた。普通あの肉の塊は客寄せパンダで、すでにそいで保存している肉片を使っているのがほとんどだと思うが、この店ではまさに今、そぎたての肉を使っていた。
そしてテイクアウト用にきれいに包装してくれた。注文と同時にリアルタイムで肉をそぐのも、こんなにきれいに包装してくれたのも初めてだ。会社に戻って早速食べてみたが、これで美味しくないわけがない。その完成度の高さに感動した。


目の前でドネルから肉をそいだのは、たまたまストックが無くなったからなのか、それともその店のやり方なのかは分からない。
それから2週間後、再びその店に行ってみた。
今度は「ケバブ丼」を食べてみようと思ったのだ。
また夕方に行くと、

「イラッシャイマセ!」と明るい声がした。
「えっと、ケバブ丼もテイクアウトできますか?」
「モチロンデス!」

すぐにテイクアウト用の容器を取り出し、まずサラダを盛ってドレッシングをかけた。
次にご飯をよそってその上からソースをかけていた。
そしてそして・・・
おお、再びドネルから肉を削り出した。
おれは普段、飲食店で店員だったりウェイトレスだったりに注文以外で必要なこと以外はめったに話しかけたりしないのだが、思わず店の人に言ってしまった。

「ここのケバブ、美味しいですよね」
すると店の人は満面の笑みを浮かべ
「ワタシ、マジメに作ってますから。見てくださいこの肉」
と言ってドネルをヘラで少し押すと肉汁がジワッと浮き出した。
「美味しいものを作ろうと頑張ってます!」
と嬉しそうに話した。
「いや、確かに他の店のケバブとは全然違いますよ」
ちょっとおだててしまったがウソではない。
すると店の人はにっこり笑い、肉を少し増量してくれた。
今回も丁寧に包装してくれた。
会社に戻って早速食べてみた。
もちろん美味しいが、ケバブ丼よりケバブサンドの方がいいかな・・・。


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