龍馬伝

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初めてNHKの大河ドラマを見ている。『龍馬伝』だ。

大学生の時、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで以来、坂本竜馬のファンである。男としては当然の話だ。男はみんな坂本竜馬に憧れるものだ。
ちょっと前の政界再編騒ぎの時も、鳩山邦夫をはじめ多くの政治家のおっさんたちが自称坂本竜馬を名乗ったが、おそらく日本中の男性からヒンシュクを買ったと思う。
日本国民は思ったはずだ、「あんなの竜馬じゃない」。
前原国土交通大臣が「私、竜馬ファンなので不愉快です」と言ったのはすべての竜馬ファンを代表する声でもあっただろう。
そういえば前の会社のモンスター社長の社長室にも坂本竜馬のでっかいポスターが貼ってあった。もちろんおれも非常に不愉快だった。たぶん社員全員を代表する気持だったに違いない。

坂本竜馬は男性ファンにとって特別な存在だ。
「あの人は織田信長タイプで…」とか「豊臣秀吉タイプで」とか、他の戦国武将などをなぞらえてものを言うのは勝手だが、こと坂本竜馬となると話は別だ。坂本竜馬はもう誰にも真似のできない存在なのだ。そこらの政治家が「私も坂本竜馬のように・・・」などと言ってるのを聞くと単純にムカつく。SMAPの香取信吾がダイハツの車のCMで坂本竜馬の真似をしているのでさえムカつく。
軽々しく坂本竜馬の名を口にしないでほしい。まして器が違いすぎる己にかぶせるな、ずうずうしいにもほどかある。

大河ドラマを一話も逃さずに見ているのも初めてだが、前回いよいよ竜馬の奥さんとなる「お龍」が出てきた。
本名は「楢崎龍」というらしいが、それは知らなかった。

「お龍」である。これも世の中の男性にとっては憧れの女性ではないか。
その役を真木よう子がやると聞いた時はどーなんだろうと思った。
そもそも坂本龍馬が福山雅治というのも最初はかなり抵抗あった。ビジュアル的にカッコよすぎるのだ。何より世に出回っている坂本竜馬の写真に似ても似つかない。
千葉佐奈が貫地谷しほりというのはまあ、いいだろう。
勝海舟が武田鉄也・・・年齢的にかなり無理があるが、まあ武田鉄也の最後の願いだ、これも許そう。
桂小五郎が谷原章介、これも絶対にイメージに合わない。
しかし絶対的におかしいのは西郷隆盛役の高橋克己だ。まずなんと言っても西郷隆盛はデブの巨漢でなければいけない。スマートな西郷なんてありえない。ちょっと歩くだけでぜいぜい言うくらいでいいのだ。
しかし真木よう子のお龍を見た時の違和感は福山竜馬以上だった。
真木よう子と言えぱ『SP』に岡田准一と出ていたあの真木よう子だ。あれはカッコよかった。でもお龍とはちょっと違いすぎるんじゃないだろうか。少なくともおれの中の「お龍」はあんなに声が低くない(もちろん本物は知らないが)。少なくともおれの中の「お龍」はもっと細面の顔だった。でもいずれこれも慣れてしまうのだろうか。

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