『武蔵御嶽神社』-奥多摩の御岳山はガチ登山だった

パワースポット

「武蔵御嶽神社」
名前からしていかにも強そうだ。
奥多摩の御岳山の山頂にある神社でもちろんパワースポットとしても有名だ。
「古来より武蔵国を守ってきた天空の神社」
ここは「おいぬ様」としても知られている。
神社の両脇にいるのが狛犬ではなく、狼で、この狼を「おいぬ様」と呼ぶ。


神話ではヤマトタケルが東征の際、道に迷った時に忽然と白狼が現れ道案内をしたらしい。
それで狼が魔除けとして関東を守っているということだ(ざっくり過ぎる!)。

御岳山は標高は929mというからものすごく高いというわけでもないが高尾山ほどお手軽でもないだろう。公式サイトには雲海なども映っている。
900m級の山で雲海など見えるものだろうか。
しかしホームページで見る限りでは不思議感が十分漂っていた。


「ここへ行かねば・・・」
奥多摩は前職でわりと頻繁に車で行っていたが、当時は神社など全く興味が無く、神社の多くがパワースポットだということも知らなかった。

最近奥多摩は移住スポットとしても注目されている。
確かに改めて奥多摩に来ると、これが東京都かと思えるほど自然に満ちていて、そこを流れる多摩川は青く透き通り、実にきれいだった。



今回もYoutubuでしっかり予習はしていた。
JR御嶽駅からバスでケーブルカーのふもとまで行き、ケーブルカーで約8分。
降りたらそこから徒歩30分くらいで最後に300段くらいの階段があるという。
ケーブルを使わずに徒歩で行く道ももちろんあるのだが、今回は別に登山をしに来たわけではないので迷わずケーブルカーに乗った。
900mとはいえ、一気にそれだけ上がると気圧も変わるようでペットボトルが少し変形していた。

ケーブルカーを降りるとしばらくなだらかな歩道が続き、そして参道の階段に着く。
たかだか300段、京都の伏見稲荷神社の無限階段を踏破した私にとっては散歩のようなものだ。
ましてや先月は3700mの富士登山を完遂したのだ。



武蔵御嶽神社にはあっけなく到着した(ケーブルカー使ったんだから当たり前か)。
観光客もそこそこいるのでにぎやかではあったが、敷地が広いわけでもなく、わりとこじんまりしていた。
どうも想像していたものとはかなり様子が違う。

お参り、と思ったが、ちょうど本殿では結婚式の真っ最中だった。
賽銭箱の向こうに新郎新婦がいる。
なんかお賽銭を投げて、その新郎新婦にお願い事をするような形になり、これでいいのだろうかと腑に落ちなかった。

神社参拝はあっという間に終わってしまったが、ここまで来てこのまま帰るなんてもったいない。
せっかくだから奥多摩の大自然を満喫したい。
当然そのあとの計画もちゃんとシミュレーションしていた。
このあと「ロックガーデン」というところへ行き、そして昼頃御嶽駅に戻り、駅近くの「隼」という店で「わさび定食」というのを食べて帰ろう、と考えていた。完璧なスケジュールだが情報源はすべてYoutubeだ。
「ロックガーデン」とは要するに岩と岩の間を清流が流れているという、夏に来たらとても気持ちのいい場所というふれこみだった。

しかし話はそんなに簡単なものではなかった。

駅前の観光センターで「御岳山周辺エリア 観光歩き道マップ」というのをもらっていた。
それによると
① 「御岳山ぐるりコース」3時間10分/6,220m
② 「奥之院・鍋割山コース」4時間10分/8,120m
③ 「日の出山コース」1時間10分/3,070m
④ 「ゆったりコース」40分/720m

の4つのコースが推奨モデルとして記載されていた。


② の「奥之院・鍋割山コース」は注意書きとして「本格的な登山になるので装備はしっかり準備しましょう」と書かれている。
別に登山に来たわけではないので装備など何もないし、
③も山には興味ないのでパス。
①のコースにはロックガーデンや滝などいかにも森林浴、マイナスイオンの溢れるコースだったのでこれに行てみることにした。

あくまでも気分は「ハイキング」だ。

ところが御岳山はそんな甘い考えを許さなかった。

マップと標識に従ってコースを歩いていく。
しかしそれは「散策路」などとは程遠い完全な「登山路」だった。
アップダウンが激しく、その合間に平坦な道も出てくる。
富士登山の練習には高尾山よりも御岳山の方が向いてるかもしれないと思ったが、今日は練習に来たわけではない。

富士山の時のような岩場も結構あり、中には木の根だけの道とか「ここ通るのか?」と思えるような場面がたくさん出てきた。
富士登山の時はそれなりの覚悟をしていたが、今回はハイキング気分で来ていたし、Youtubeにもそんなことを言ってる人は一人もいなかった。

ロックガーデンも写真で見るとすがすがしく清涼な雰囲気だが、考えてみれば「ロック」=「岩場」である。楽なはずがない。
ゴロゴロとしたでっかい岩の上を転ばないようにひたすら進んで行った。

予想に反し、しっかり「登山」をさせられた気分だ。

3時間の行程のはずが5時間近くかかっていた。
この時点で足腰は相当疲れてしまっていた。
富士山登頂経験者なのになんでこんなに疲労しているのだろう。
富士登山に比べたらその過酷さは比べものにならないはずなのにぐったり疲れてしまった。
再びケーブルカーで下山し、もうランチ時はとっくに過ぎていたが名物のわさび定食を食べて帰ろうと思った。

しかし何ということだ、店の営業時間が14時までで、そのあとは16時からになっている。

結局それも食べれず、駅前の中華屋で「野菜炒め+半チャーハン」を食べ、帰りの電車に乗ったのだった。


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