いろいろ迷った挙句、コースを決めた。
新宿を朝7時に出発し、8合目の山小屋に1泊する吉田コースだ。
体力的には頂上制覇の自信はあるのだが、そうはいっても登山は超初心者であることに違いはない。
さらに難関と思えるのは高山病だ。
高山病は3000mを超えると一気にリスクが高まるらしい。
ただでさえ酸素が薄い中で頭痛、吐き気などがあったらさすがに体は動かないだろう。
なので山小屋も8合目の下から2つめの山小屋指定にした。
蓬莱館という山小屋で標高3200m。欲張って頂上近くの山小屋にするのではなく、そこで十分体を低酸素に慣らしてから頂上まで行く作戦だ。
逆に7合目の山小屋だと、翌日に1時間くらい余計に歩かなければならない。
会社で「富士山に登った」と言い張る女も「山小屋で休めばやっぱり回復しますからね」と言ってたが、それもまあ理にはかなっている。
「初心者はいきなり登るのではなく、どこかの山で練習しておいた方がいい」というのもよく聞く話だ。
そもそも別に登山がしたいわけではなく、富士山だから登っておきたいだけなので余計な登山などしたくないのだが、同時に「富士山なめるなよ」というのもよく聞くセリフだ。
ならばとおれはYoutubeで「登山での歩き方」の動画をいくつも見た。
すると「体重移動の仕方」だの「足の着地の仕方」だの「歩幅の考え方」だのと、今まで気にも留めてなかったことばかりで、山には山の歩き方というものがあるのだと知った。
動画の内容を総合すると、おれが長野の戸隠神社での往復3時間の山道の登り方、下り方はもっとも疲れる歩き方だったようだ。
おれはその歩き方のノウハウを頭に詰め込み、地元の高尾山へ練習に行った。
そして実際にYoutubeで得た知識を試してみると、確かに「なるほど!」と思うものばかりだった。
動画の通りに登っていくと確かにいつもより楽に感じる。
よし、これなら富士山も楽勝だ!
次に考えておかなければならないのが富士登山における装備だ。
どの動画を見ても誰の意見を聞いても行きつく結論は同じだった。
・サック(リュック)&防水カバー
・登山靴
・レインウェア
・ストック
・防寒着
・吸水速乾のウェア(上下)
・水1~2リットル
・行動食(お菓子やプロテインバーやゼリー飲料)
・帽子
・手袋(岩場用)
・ヘッドライト
・ゲイター(足首と靴の袖カバーみたいなやつ)
「これを機に登山を趣味に」なんて気持ちは全くないのでこれらを全部買い揃えるなんてありえない。レンタルにしよう。しかし靴だけは合う、合わないがありそうだから買った方がいいのだろうか。
おれはお茶の水のVictoriaに見に行ったが、思った通りどれも数万円はする。
しかも街中で履けるようなデザインではない。まさに1回しか使わないであろう代物だ。
こんなのに何万円も出したくない。
そこでバスツアーが提携しているレンタルショップで丸ごとレンタルすることにした。
一式借りても9,500円で済む。
レインウェアだのストックだの本格的リュックなど、今回の登山以外は絶対使い道ないだろうからな。
吸水速乾性のウェアは今話題で評価の高いワークマンで調達した。
ズボンに関しては伸縮性のあるものが必須だそうで、それは戸隠神社のプチ登山で思い知った。
特に段差の大きいところなど、伸縮性のないズボンだととにかく膝が突っ張って歩きにくいし疲れるのだ。なのでこれは新たに買わなければならないが、ワークマンでクライミングパンツ1,900円、手袋はなんと99円だった。
残りで必要なものはダイソーで揃えよう。
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