『鬼滅の刃』の何がそんなに面白いのか

今週の中ごろに喉の違和感を感じ、それは木曜日にははっきりした痛みに変わっていた。さんざん迷った挙句、この日はジムに行かずにまっすぐ帰った。思い当たるのは子供が何日か前から咽が痛いと言っていたのでそれが移ったのだろう、そうに違いない。「これはコロナではないんだ」と自分に言い聞かせ、夜10時に布団に入った。

翌朝スッキリ、とは全然なってなくて、むしろだるさが増していた。これはつまりどういうことだろう・・・しばし考え、結局有休をとってしまった。この程度で休むなんて今までであれば考えられないことだったが、どうしても頭の片隅に「コロナ」の3文字がチラついていた。熱を計るとギリで37度には行かなかった。高熱が出なければ大丈夫だろう、味覚症状も異常ないし、とまた自分に言い聞かせ午前中はそのまま寝ていたが、どうも寝ていても悪夢しか見ない。そして午後になっても妙なだるさがまるで抜けない。たいていこういう時、人はネガティブ思考になるもので、すべてを悪い方へ考えがちになる。

もしこれが本当にコロナだったらどういう事態になるのだろう。
会社は2週間くらい閉鎖になるのだろうか。おれの席の周りは防護服を着た清掃員が徹底消毒でもするのだろうか。さらに容易に想像できるのがおれに対する非難中傷罵詈雑言の数々だ。
「あの人会社のテレワークに指示に全然従わずに毎日会社来てましたよ」
「みんながいろんなことを自粛しているこの時期に、ジムにも毎日行ってましたよ」
「ちょっと自覚が足りなすぎるんじゃないですか」
「こうやって一人の勝手な行動でみんなが迷惑するんですよ」
ちきしょう、鬼の首を取ったように言いたいこと言いやがって。まだ誰にも言われてないが、まずこの状況は90%以上の精度で予言できる。

時間がもったいなかったので午後からはHuluで今話題の『鬼滅の刃』を見ていた。2か月ほど前だったろうか、3話まで見たのだが何が面白いのかさっぱりわからずそれっきりになっていたのだ。しかし劇場版の上映がすごいことになっているらしく主題歌は売れに売れまくっているそうじゃないか。
で、続きの第4話から見始めて第14話まで来た。

結論から言うと、やっぱりなんでそんなに騒がれているのかわからない。この先もう少し進めばハマるツボが出てくるのだろうか。
昔、会社にいたオタッキーがおれに『エヴァンゲリオン』をしつこく勧めてきて、「そんなガキの見るようなアニメなんか見れるかよ、ケ!」とバカにしていたら3話目でハマってしまった。
もっと昔、前の会社に入ったころに同僚のいかり君が「今日、テレビで『風の谷のナウシカ』やるからおれ早く帰るぜ」と言っていておれは耳を疑った。
「それって少女マンガじゃないの?ホントにそんなの見るの?」
「君も見ろよ、絶対泣くぜ」
ありえない、二十歳超えたいい大人が『風の谷のナウシカ』かよ・・・
その晩、おれは次の日にいかり君をバカにするためだけに『風の谷のナウシカ』を見ていた。しかし終盤、傷ついたオームの子供が出てきたあたりでおれの目には不覚にも涙が浮かんでいた。

話を『鬼滅の刃』に戻すと、ここは少し冷静に客観的に考えるとストーリー自体は全然新しいものでもなく、その展開の仕方も極めてオーソドックスな手法。特に映像がスゴい、なんてことでもない。それでいてここまでヒットしたという方がむしろ驚きだ。話の展開なんか似たようなものが掃いて捨てるほどある。というより修行して強くなって仲間ができて悪の親玉を倒しに行く、というアドベンチャーもののセオリーに忠実に従っているのだから似たようなのがいくらでもあるのも当たり前なのだ。

15話以降のこの先も見るべきかどうか・・・てゆーか一体何話まであるんだ?

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