火星の真実

スピリチュアル

ここに1本のビデオテープがある。

「第3の選択」。ビデオテープと言われても、もうビデオデッキなんかとっくに無くなっているので今更再生はできないが、親切な人が30分くらいの縮小版をYouyubeにもアップしてくれている。このビデオ自体はもう30年位前に会社の同僚のいかりくんに聞いて、秋葉原のラオックスで手に入れたものだ。

「まだテレビの深夜番組のない時代に、突然何の前触れもなく放送されたんだぜ。その内容というのが・・・」と、いかりくんは怪談話のようヒソヒソ声でこの「米ソ共同の極秘火星探査計画」を解説してくれた。
まだ精神年齢も子供だった私は疑うということを知らず、この話にコーフンしてどうしてもその番組を見たいと思った。まだインターネットもない時代にどうやって分かったのか全然覚えてないが、大きなレコード店に行けばそのビデオが有るかも知れないとわかり、探したんだと思う。そして手に入れたのがこのビデオだ。1977年にイギリスで製作された、56分もののビデオで価格はなんと10,300円!よく当時の安月給だった私がそんなに出したものだ。ほんとに見たかったんだろうね。

パッケージには
「1962年5月22日、人類はすでに火星着陸に成功していた!英・アングリアTV制作。驚愕と戦慄に満ちた幻の映像!!今、暴かれる人類最後の選択の真相!」
と書かれている。

ストーリーをざっくり説明すると、科学番組「サイエンス・リポート」は取材の中でイギリスから優秀な科学者が相次いで国外に移住してしまう「頭脳流出問題」の取材をしていると、移住したはずの多くが行方不明になっていることが分かった。また別の取材では自動車事故で無くなった天文台のバランタイン博士が事故死の間際に1本のビデオテープを新聞社へ送ったが、再生してもノイズだけで何も見えなかった。バランタイン博士をよく知る元宇宙飛行士のボブ・グローディンを訪ねると、最初は口を閉ざしていたがしまいにはアポロの月面着陸時の驚くべき様子を口走った。さらに取材を進める中で1957年、米国アラバマ州で国際科学者会議が開かれ、近い将来地球は温暖化で人が住めなくなることが確実となり、三つの選択肢が討議された。その第3の選択こそ「火星移住計画」だった。

そしてある情報提供者からNASAのビデオ暗号解析装置が提供され、それをバランタイン博士が送ってきたビデオに接続すると、米ソ共同プロジェクトの無人火星探査機が1962年に火星に着陸し、そこには空気もあり、地中で何か生物らしきものが動いてる様子まで映っていた・・・。

ちょっとここまでのあらすじ、自分で読み返してもざっくり過ぎて何がコーフンのツボなのか全然伝わらない。ぜひダイジェスト版のYoutubeでも見てほしい。なんかDVDも販売されてるらしい。
この番組が放映された当時は「4月1日のエイプリルフール特番」でフィクションである、という建前だった。実際に番組でインタビューに登場するのはすべて俳優で、ボブ・グローディンという名の宇宙飛行士もいない。

「なんだ、フェイクドキュメンタリーか」

と思った人も少なくなかったろうが、「フェイクということにしなければ世に出せなかったのでは」というように考える人も多かった。もちろん私は後者の意見に賛成である。火星と言えば昔『カプリコン1』という映画があった。火星有人飛行の話で、実際はスタジオで撮影しているという世紀の大嘘を米国がやってる。これなんかアポロ計画のことを示唆してると感じた人は多いはずだ。
「人は本当に月に行ったのか?」

私は「宇宙飛行士は、月で本当は何を見たのか」がずっと知りたかったが、そもそも月になんか行ってなっかったらその前提自体が崩れてしまう。何かの番組で誰かが言ってたが
「大衆を騙す一番効果的な情報操作の方法は嘘と真実を混ぜて流すことだ」

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