甲斐バンド大宮ソニックシティ 不完全燃焼の夜 

音楽の部屋

しつこく言うが、大宮のライブはまったくもって不完全燃焼だった。
しかし思い起こせばもっと不完全燃焼だったのが86年の解散コンサートだった。
このとき、実は初めて甲斐バンドのコンサートに参加したのだ。
レコードは大体持っていて、ビデオは「The BIG GIG」を飽きるほど見ていたので、解散コンサートだから相当スゴイのが見れるだろうと期待して武道館へ行った。

全然知らない人が自分のホームページでやはり解散コンサートのことを酷評していたが、おれもまったくその通りだと思った。
あの選曲はないだろう。
ファンの間では不思議と好評なラストの「ラブ マイナス ゼロ」歌って「じゃあね」って言って去っていく。おれに言わせれば「じゃあね」じゃねえよ、ちょっと待てよ、これで終わりかよと言いたかった。
初めての参戦で非常にがっかりした記憶がある。

しかしその後、10年を経て行った期間限定の再結成ライブツアー。
解散コンサートの苦い経験があったので過度な期待は禁物と警戒していたが、これは予想に反して見事なものだった。
おれはできたばかりの東京ビッグサイトでこれを見たのだが、選曲、演奏、全てにおいて鳥肌もので、その夜はコーフンしてなかなか寝付けなかったことを覚えている。 

今、甲斐バンドの秘蔵CD BOXやDVD BOXが出ているが、復活ライブを超えるものはない。
ラストで歌った「100万$ナイト」なんか、歌も演奏も最後の大森さんのギターソロも、今までのどのライブよりも完成された、この世のものとは思えない芸術作品だ。 

ソロに戻ってからのロッキュメントとかドリームシリーズとか30周年記念とか全部行ったけど、残念だが結局「Big Night」を超えるライブはもうない。
大森さんがいない今となっては、なおさらそれは間違いない。

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