GODZILLA

映画の部屋

「GODZILLA」だ。
今度のゴジラは1998年に公開され世紀の駄作と呼ばれたハリウッドゴジラの名誉挽回もあって相当頑張ったと聞いていた。確かにハリウッドゴジラはひどかった。今まで見てきた映画の中でもおそらく1、2位を争うほどのひどさだった。あれは「ゴジラ」ではなく、間違いなく巨大トカゲだった。だから「ハリウッドゴジラ」などと言わずに「ジュラシックパーク」の続編と言えばよかったのだ。

今回の「GODZILLA」は予告編を見る限り、一応トカゲではなくちゃんと「ゴジラ」の形をしているようだった。
どうせ映画館で見るなら3Dがいい。おれは会社の近くにできた映画館に会社帰りに足を運んだ。
それは「コレド室町2」の中にできたTOHOシネマだった。
よくもビジネス街の真ん中に映画館なんか作ったものだ。
3D映画では入り口で3Dメガネを貸してくれる。コレドでは、なんと返却無用だった。

さて、その内容だが、これは怪獣映画の定めなのか、「ありえねー」という突っ込みどころは満載だが、映画としての完成度は高く、日本では作れない特撮映画であった。アメリカが本気で特撮ゴジラを作ったらこうなる、どやっ!という感じか。

ゴジラの面構えもだいぶ迫力があった。その巨大さも十分伝わってきた。そう、この巨大さが日本のゴジラシリーズではなかなか伝わってこないのだ。今回はちゃんと口から火も吹く。うんうんゴジラはこうでなくちゃ。

円谷プロ率いる初代ゴジラは1954年に公開されたというから私が生まれるはるか前のことだ。
その後、回を重ねるごとにどんどん安っぽくなっていき、もはや子供の映画になってしまい、当初の水爆実験から突然変異したという高尚なコンセプトは全く消えてしまった。ビジネスとして考えるなら、マーケットは子供であるという方向転換は正しかったのだろう。
しかし15作も作ったらさすがにネタ切れか、しだいに飽きられ、1984年に東宝は突然コンセプトを元に戻しにかかったがもはや手遅れと言うか、日本映画の限界と言うか、大人が観て納得するような作品にはならなかった。
そのまま何作か作ったようだがヒットは望めず、そんなときにハリウッドゴジラが作られるというので期待感も強かったのだろう。しかし出てきた作品はただの巨大トカゲで「そりゃないだろ」というのが大方の印象だったのではないだろうか。
そう考えていくと今回の作り直しハリウッドゴジラは十分合格点と言いたい。
そして次はぜひともハリウッド版「ガメラ」を観てみたい。

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