超初心者が挑む富士登山①~「そうだ、富士山に登ろう」

富士山

「富士山には“何か”がある」
フェイスブックに「高尾山から写した富士山」というのが出てきて、それをしばらく眺めていたら突然そう頭に浮かんだ。
数ある山の中でも富士山はおそらく別格的に何かが違うのではないか。
そうだ、日本に生まれた以上、死ぬまでに一度は富士山に登るべきではないだろうか。
もう富士山が自分を呼んでいるような気分になった。

ところで富士山の頂上はどうなっているのだろう。よく5合目がどうしたこうしたって聞くが、つまりは車で途中まで行けるということだろうが具体的に「5合目」と言われてもピンとこない。
そもそも富士山の頂上って普通に行けるのだろうか。
さっそく調べてみると、「高山病で断念する人が多い」と出ていた。
あーダメだなこれは、無理無理。
そもそも普通の登山だってどちらかというと「嫌い」の部類だ。
ただ単に富士山の写真を見ていて、そこには何か超常パワーがあるのではないかと想像しただけなのだ。

地元が八王子だったので、遠足とかは何かと高尾山に行かされることが多かった。
そして上り坂を延々歩いていくあの疲れ方も極めて不快だった。
子供の頃は遠足だけでなく、父親が山登り好きだったので高尾山とつながっている景信山と陣馬山にもよく連れていかされた。
登山好きの人たちが、何が悲しくてあの苦行じみた中に身を置きたがるのか全く理解できなかった。
しかし彼らは自然の中に潜む浄化された空気やにおい、動植物の息吹、空の色など都会では決して味わえない貴重な世界を知っていたのだろう。
しかしそれを味あわうためにあの坂道行進はやっぱりうれしくないなぁ。

さんざん上った高尾山は標高599メートル。これだけでも山登りのつらさはお腹いっぱいだった。
高校生の時に神奈川県の大山というところに行ったがここは1,252メートル。高尾山の2倍あるがこれも相当つらかった記憶がある。そのくせ頂上での爽快な気分など1mmも覚えてない。
富士山となると標高3,776メートル。
大山の3倍、高尾山のなんと6倍以上もある。
これは死ぬな。日帰りの観光気分で行ける場所ではない。
これは生半可な気持ちで行くのは無謀だし、登山愛好家たちにも失礼なんだろう。
「山、ナメんなよ」と言われそうだ。
しかし「富士山は最強のパワースポット」とか言われるとどうも心がざわつく。

つづく


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