龍を見た人⑤~出発編

スピリチュアル

5月16日、月曜日の23:10。
おれは京成上野駅の前のバス乗り場にいた。
いよいよ夜行バスで京都に行くのだ。おそらく新幹線ならなんとも思わないのだろうが夜行バスとなると微妙に緊張する。夜行バスなんて何十年ぶりだろう。
楽天トラベルのレビューではどこの会社も評価はひどいもんだったが、その中でも少しでも評価のマシだった会社の夜行バスを予約していた。

ほとんど定刻通りバスは到着した。

運転手兼受付のスタッフは「空いてるのでどこの席でも大丈夫ですよ」と言った。

「楽天で予約すると真ん中の列になる」とのレビューもあったがおれの座席番号は「1号車4A」。つまり4番目の窓側だった。乗車してみると確かに客はまばらにしかいないようだった。

夜だったのでよくわからなかったが車内は「3列独立シート」とういうやつで、ゆったり感はある。

「不衛生」との前評判も暗くてよくわからなかったが、特に不衛生という印象でもなかった。
自分のテリトリーを囲うようにカーテンもあり、「カーテンがちゃんと閉まらない」などということもなかった。
「意外に快適・・・」
というのが乗った瞬間の率直な感想だ。
ただし、揺れは相当あり、まるで未塗装の道を走っているかのようで、高速道路を走ってるくせになんでこんなに揺れるのだろう・・・そんなことを考えながらおれはすぐに眠りに落ちてしまっていた。

道路が空いてたらしく、バスは予定時刻よりも30分も前に京都駅前にある京阪ホテル前に到着した。
時計を見るとまだ朝の6時を過ぎたばかりで、さすがにこの時間の京都は静かだった。

今日の予定はまず鞍馬寺からスタートし、貴船神社へ向かうのだ。

※鞍馬寺公式サイトより


ただ、あまり早く着きすぎてもまだオープンしていない可能性もある。

鞍馬寺をホームページで調べると9:00~となっていた。山の上にあるのだから、登っていくのに30分くらいかかるようだ。なら8:30頃に麓の駅に着いていればいいだろう。

しかしそれまでどうやって時間をつぶそう。6時じゃまだどこの店もやってないだろう・・・と思っていたらあった。

マクドナルドがやっていた。そこでジャンクフードを食べ、鞍馬寺までの行き方を再度確認していた。

当初は電車を乗り継いで行こうと思っていたが、どうやらバスの方が便利のようだ。さすがに観光地だけあってバスロータリーから金閣寺や比叡山、清水寺など有名地にバスがじゃんじゃん出ていた。

そのうちの一つに乗り、「出町柳駅」まで行き、そこから比叡電車というので「鞍馬駅」を目指した。

最初はそこそこ人が乗っていたものの、終点の鞍馬駅で降りたのは数人だった。
そうか今日は平日だもんな。

駅のすぐ横に鞍馬山への山門に続く「入場口」があった。そこで入山料として300円払う。

この山全体が既に宇宙エネルギーが降り注ぐパワースポットらしい。

おれはさっそく鞍馬寺目指して登って行った。


ケーブルカーもあり、それである程度まで登ってしまうこともできたが、せっかくのパワースポットなら少しでも長い時間そのパワーを浴びていたいものだ。おれはケーブルカーをよそにそのまま登山コースへと進んで行った。

しかしそれにしても人がいない。ほとんど一人で山頂を目指しているような光景だった。

いくら平日とはいえ、もう少し神社マニアたちがいても良さそうな気もする。

空は曇り空で気温もそれほど高くはなかったが、それでも山登りだ。
そうだおれは山登りがキライだったんだ。あっという間につらくなってきた。

上り坂は延々続いていた。

「今、おれは全身に宇宙エネルギーを浴びているのだ」と自分を励まし(納得させ)、おれはずんずん進んで行った。途中にいくつか神社があり、それぞれが休憩ポイントのようだった。

金星人サナトクラマの降り立った地、鞍馬寺が徐々に近づいてきた。

つづく

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