ちょっと久々にいい映画を見つけた。
NetflixやAmazonプライムビデオで見るときはたいてい20分とか30分とか何回かに分けて見ることが多いが、この映画は一気に最後まで見てしまった。
GYAO!で配信 (無料)が始まった『人魚姫』だ。
アンデルセン童話の「人魚姫」のリメイクではなく、中国のチャウ・シンチー( 周星馳 )という人の監督作品の中国映画で、原題は“美人魚”というらしい。
やり手のチャラい青年実業家が香港郊外の海辺の美しい自然保護区を買収し、リゾート開発(大規模環境破壊)をして大儲けをしようと目論んでいたが、そこには絶滅の危機に瀕する人魚族が住んでいた。人魚族はこれを阻止するため刺客として若い女の人魚を人間の女性に変装させて送り込む。ところが青年実業家と人魚は互いに惹かれ合い、やがて人魚族の存在が人間に知られてしまう、というストーリー。
オープニングに結構エグい環境汚染の映像が流れるが、物語はコメディタッチに展開していく。
それよりも何よりも、オープニングのタイトルバックの音楽に耳を疑った。
なんとブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』の主題曲が使われていたのだ。映画の主題曲に他の作品の主題曲を使うなんて聞いたことがない。これ、中国映画界では普通なのだろうか。しかしよりによってブルース・リーの映画の主題曲を使用するなんてすぐにバレるではないか。世界中にブルース・リーのファンが何十億人いると思っているのだろう。ブルース・リーのファンは必ず『ドラゴン怒りの鉄拳』を少なくとも5回は見ているはずだ。
しかし話は意外にテンポよく進む。役者のレベルも結構高い。時々「特撮」じみたものが出てきて、これは超チープな出来だがそれも許せる。チャラい青年実業家と人魚姫の面白おかしい交流は見ていて微笑ましい。
コメディ仕立てではあるものの、その内容はいたって大まじめである。
話の展開は次第にシリアスでちょっと残酷になっていくが、そこでやめずに最後まで見て良かったと思った。
GYAO!で配信される映画は結構微妙なのが多いがこれは称賛に値する。よくこんな映画を見つけてきたものだと思ったが、2016年に日本でも劇場公開していたらしい。でもこれは1800円払って劇場で見ても満足できる作品と言っていい。
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