『ブラッド・ダイヤモンド』が暴くダイヤの闇 それでもダイヤ、欲しいですか?

映画の部屋

ずっと気になってはいたが先送りしていた映画、というのは実は結構あるものだが、そんな中で「見なきゃいけないが辛そうで見れなかった」というのがある。それを、意を決してついに見た。レオナルド・ディカプリオ主演の『ブラッド・ダイヤモンド』(2006年作品)だ。直訳すれば「血のダイヤモンド」、一般的には「紛争ダイヤモンド」と呼ばれているらしい。
Amazonプライムビデオで無料だったのでウォッチリストには結構前から入れておいたがずっと見なかった。映画サイトであらすじを読んだだけで、これは耐えられないだろうと思ったのだ。数日前、おそるおそる再生ボタンををしてみた。ワーナーブラザーズのタイトルバックが出て、アフリカの早朝が映し出される。アメリカやヨーロッパの家々とは全く違うシエラレオネの家で父親が息子に「起きる時間だ」と声をかける。もうそこで再生をストップしてしまった。あらかじめあらすじを読んでいたので、この先この一家に降り注ぐ困難を思うともう泣きそうだった。
「無理だ・・・これはとても見れない」
こんなもの見たら確実にトラウマになる。
しかしこの現実から逃げてはいけないと気を取り直して昨日ついに最後まで見た、というわけだ。
見終わった後の感想は、「全世界の人々、特にダイヤモンドやジュエリーが好きな人には強制的にでも見させるべき映画」。食べログなら星5つ付けてもいい。それぐらい価値ある作品だと思う。今までも少年兵の問題とかアフリカの内戦の話などいろいろな本で読んできたが、それらがここに凝縮されているようだった。これでも随分手加減してくれているのだろう。

舞台は1999年のアフリカ・シエラレオネ。ストーリーはどこかの映画サイトでも見てほしい。いや、まだこの映画を観てない人はまず見るべきだ。Amazonプライムに加入してなければ今すぐTSUTAYAへ走るべきだ。
製作者の意図はどこに焦点があったのか。もちろん世界で取引されているダイヤモンドの裏側なんだろう。しかしここに描かれているのは白人が身に着けるダイヤモンドのために黒人同士が殺し合いをしなければならない理不尽、内戦、少年兵、何百万人もの難民キャンプ、密輸と英国のメジャー企業との黒い取引き、ダイヤによる武器売買の実態などなど。

なんでダイヤモンドでこれだけ多くの不幸が起きるのか。もうみんなダイヤモンドなんか欲しがるなよ!と叫びたくなる。世界中でダイヤモンドの着用を禁止にすればいい(毛皮も)。ダイヤモンドが無くても別に生活には何も困らないだろう(毛皮も)。どうしても必要ならイミテーションでもいいではないか。

映画の中では実在する反政府武装勢力の革命統一戦線(RUF)が村を襲撃するシーンが何度か出てくるが、実際はもっと残酷で悲惨なんだろう。RUFが子供を拉致して恐怖で支配し少年兵に仕立て上げる。現実は映画よりももっと陰湿なんだろう。
もともとアフリカという大陸は、いろいろな民族が仲良く暮らしていたという。そこにヨーロッパの数か国が侵略し植民地にしていったのが諸悪の根源で、奴隷制度や資源の搾取、民族間の紛争、内戦などを引き起こしていった。奴隷制度なんて人類史上の汚点どころの騒ぎではない。殺人と同等の犯罪である。
ダイヤモンドの問題とともにアフリカそのもの、そして少年兵についても考えさせられる映画だ。息子を取り戻すために奔走する父親役の黒人男優、ちょっとボビー・オロゴンに似ているのだがこの人の演技も神がかっている。「父親の愛」が見事に描かれていて絶賛ものだ。主演のディカプリオ、タイタニック号の時は「レオ様」などと呼ばれ、「ケッ!」とか思っていたけどこの映画でその先入観は捨てました。もうアカデミー賞ものですね。共演のジェニファー・コネリーも大変美しい。
そしてアフリカの大地の夜明けや夕暮れ、大きな空など、日本にいてはちょっと見れない情景だ。

いずれにしても全国民が見るべき作品だ。
ちゃんとトラウマにならないようなエンディングが待っているから安心して見て大丈夫だ。
泣くと思うけど。



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