どうしても龍が見たくなったおれはゴールデンウィーク後に3日間の有給を「予約」していた。
龍を肉眼で見るためにはSHINGOと同じルートをたどるのが一番成功の可能性が高いのではないか。
SHINGOがたどったルートは、まず和歌山の高野山の奥之院で肉眼で龍を見て、それから京都のパワースポットである鞍馬寺、そこから龍で有名な貴船神社にも行ったようだ。貴船神社って恋愛の神様だと思っていたが龍も有名らしい。
一方の高野山はどうもピンとこない。確か中学の修学旅行で行ったような気がするが、記憶違いかもしれない。
まあとにかく龍を見るためには高野山へ行かなければならないのだろう。
乗換アプリで調べると、東京からだと約5時間もかかるようだ。
大阪までだって2時間半で行くのになんでそんなにかかるのだ。。
京都の鞍馬でも東京からは約3時間半。
和歌山と京都。
いまだに日本地理をちゃんと理解してないおれにはそれぞれの位置関係からしてよくわかっていなかった。京都は大阪の手前だろうぐらいは見当がついていたが、和歌山なんてぼんやりしたイメージしかない。
おれは考えた。
ルートを逆にして初日にまず先に京都から入り、鞍馬山を上って鞍馬寺へ行き、そのまま貴船神社まで下る。そしてその日の夕方までに高野山の方まで移動して近くのビジネスホテルで一泊、翌日の朝から高野山に行くというのはどうだろう。
高野山へは「橋本」という駅が便利そうだが、鞍馬からは3時間くらいかかるようだ。
しかもあまりホテルが無い。
ビジネスホテルならやはり京都駅周辺とか奈良駅周辺の方が選択肢も当然増えるのだろう。
どうしたものか・・・
朝早い時間に京都に入り、鞍馬寺と貴船神社へ行ったら中継地として奈良に泊り、翌日に奈良から高野山へ行くというのはどうだろう。
しかしやはり調べてみると奈良駅から高野山までは2時間半以上もかかるらしい。東京から大阪までは2時間半で行くのになんで奈良から和歌山、隣の県に行くのに2時間半以上もかかるのだ。
しばし考えた挙句、
「高野山は・・・次でいっか」
今のおれにとっては高野山よりもどちらかというと奈良の東大寺の方が魅力的なのだ。
中学3年生の頃、おれは突然仏像の魅力に取りつかれた時期があった。
正確に言うと「仏像」というより寺の門にいる金剛力士像や菩薩像の周りにいる四天王像に取りつかれた。修学旅行で行った高野山には全然興味が無かったが、東大寺の南大門にある8mの金剛力士や新薬師寺にある12体の守護神像など感動ものだった。
「もう一度見たい。高野山よりもそっちを見たい」
おれはにわかに旅程変更を考えた。
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