不思議な歌声 佐々木 好

「佐々木好」で「ささきこのみ」と読む。
確か1981年頃、「第二の中島みゆきか！」と一瞬話題になったがたぶんそんなに売れてはいなかったと思う。中島みゆきと同じ北海道出身ということだったが、おれの周りでもこの人の名前すらほとんど知っている人はいなかった。

おれは当時、駅前にあったレンタルレコード店(その頃はレコードしかない)でこの人のLP(アルバムのことね)を借りた。聴くと、ちょっと不思議な感覚にとらわれた。
ちょっと格は違うが初めてエンヤの歌を聴いたときのような・・・ちょっと言いすぎか。
しかしその音楽は一言でいえば「不思議」だった。
何が不思議かというと、もう言葉では表現できない。
「聴いてると何とも言えない不思議な感覚になる」としか言いようがない。
記憶の深いところでどこか懐かしいような感情を揺り起こそうとしているようだ。

この人のライブに一度だけ行った事がある。
渋谷の「ジャンジャン」というライブハウス（今はもう閉鎖している？）で、もともと狭い会場なので満員だったが、残念ながらそれほど記憶に残るライブでもなかったのはなぜだろう。
きっと期待していた曲をあまりやってくれなかった、そんなとこだろう。