一家に一冊!『原発報道』-東京新聞

本棚

「東京新聞」からスゴイ本が出版された。
その名も『原発報道』。
1,890円もする本だが私は迷わず即買した。 ホームページの紹介文では次のように書かれている。

『 「東京新聞の原発記事が読みたい!」という全国からの声に応えました。「スクープと調査報道」、「折々の報道と連載『レベル7』『福島作業員日誌』」の2部で構成。福島第一原発事故の直接原因となった全交流電源喪失への対策見送り、経産省資源エネルギー庁による誹謗中傷的な報道チェックなど、闇に埋もれていた事実を発掘した読み応えのある記事が満載です。トピックごとに記者コラムを掲載し、取材の裏話などを披露しています。真実に肉薄してきた“東京新聞の原発報道”を集大成しました。 』(公式サイトより)

我が家では朝日新聞と読売新聞を半年交代で購読していたが、最近やっとやっと東京新聞に切り替えた。私は以前から東京新聞の愛読者なのだ。
もとをただせば学生時代、学校の図書室で初めて東京新聞を読み、その内容に青二才の子供ながらスゴイと思ったのだが、3.11の原発事故以来、東京新聞はサムライと化し新聞報道の真髄を世の中に示した。
これぞジャーナリズムの鏡だ。

のど元過ぎれば瞬時に物事を忘れる日本人。
日本は放射能汚染で住めなくなるんじゃないかとさえ言われた原発事故も、地震災害も、もう過去の話のような雰囲気だ。
まだ1年半しかたっていないのに公然と原発推進を発言する政治家がいて、かなりの数の日本人がそれを支持している。衆院選挙では原発推進を公言している自民党が与党に返り咲くことがほぼ確実視されている。
普通に考えたらあり得ない話で、我々日本人は異常な民族だとさえ思う。
唯一の被爆国で、戦争の悲惨さ、核兵器の残酷さを身をもって体験したはずの日本人の口から徴兵制復活だの核武装だの国防軍だのの言葉が出てくる。
東京新聞は他の新聞がすっかり震災の話題から遠ざかっていても、積極的に震災や原発のニュースをずっと載せ続けていた。その姿勢は今もそうだしこれからもそのつもりだろう。
1年以上前だと思うが、高円寺で初めて脱原発のデモがあった時、テレビ、新聞全てがこれを無視した中、デモを大きく報じたのは東京新聞と赤旗だけだったと記憶している。
今、本当に国民目線に立って国民に必要なニュースを提供しているのは東京新聞がダントツにトップランナーだろう。これは世界に胸を張れるメディアである。

おっと話がそれてしまった。
『原発報道」である。厚さにして3センチくらいはあろうか。
単なる新聞の縮刷版ではない。記事が読みやすいように改めて活字に直して編集しなおしてある。これは「一家に一冊」、全ての日本人が常備すべき本である。景気も暮らしも分かるが、南海トラフが連動して再び巨大地震が起きて全国各地の原発が福島の二の舞になった時、日本は住むことさえできなくなるのだ。そうなったらもう利権も景気もあったもんじゃない。国民総心中だ。原発推進派の人たちは分かって言っているのだろうか。それとも津波が来ようが断層が動こうが他の原発は安全とでも心から信じているのだろうか。原発推進政党に投票し、原発推進総理が誕生し、地震が来てえらいことになっても彼らに投票した人たちに文句を言う資格はない。
軍備拡張推進政党に投票して、本当に日本が戦争に巻き込まれるような事態になった時、身内や大切な人を戦争で失ったとしても、彼らに投票した人たちに文句を言う資格はない。
お、また話がそれてしまった・・・。

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