「覚醒」の向こうに待っているもの

アセンション

「覚醒とは何か」
バシャールの一件以来ここ2か月ほど改めて考えていた。
この手の関係の本を読み返し、Youtubeでは「覚醒」「アセンション」などをキーワードに片っ端から見続け、中には「いくらなんでもそれはないだろ」という怪しげなものまで我慢してとりあえず観てみた。
我々はもともと別の次元から自分で時代や国、環境を選び、「親」を選び、「肉体」を選びこの世にやってくる、というのが今までの私の持っていた概念だった。最初の頃は「なぜ人は生まれてくるのか」の理由を「霊性を高める修行である」と考えていた。いろいろな困難があるのは自分を高めていくための試練なのだと。そして登場人物はすべて輪廻転生で過去世において関係のあった人たちで、過去世で自分がひどいことした人には今世で逆の立場になったり、前世で助けた人には今世で逆に助けられる、といった具合だ。いずれにしても「人生は苦である」という仏教的な発想だった。

そしてその後「人生は旅行」説が出てきた。「人生という旅を楽しむため」に来たのだから「寿命」という終わりがあり、元居た場所へいずれ帰るようになっていると。生きていくうえで嫌なことがあってもそんなことにいちいちかまけていたら旅行は終わっちゃうから楽しまなきゃ損だよ、というようなことを何かで読んだ記憶だある。しかし嫌なことがあったら快適な旅行はできないだろ。

そして10年位前から出てきたのが「人生はゲーム」説である。主人公のキャラとして自分を設定し、約80年間のロールプレイングゲームをやってる。実はそのストーリーも自分で作ったのでゲームのからくりも本当は分かっている。でもそれじゃつまらないから生まれるときに記憶を初期化(消去)してネタバレを防いだ、という説だ。
これはどんな小説や映画もそうだが、ずーっと平穏無事な物語など面白いわけがなく、特にハリウッドなどは
地球の危機⇒ヒーロー登場!強い!⇒裏切り⇒劣勢になりピンチ⇒修行⇒最後は勝利!
と、大抵このパターンになる。スターウォーズもバットマンもロードオブザリングもみんなこのパターンだ。この間に友情だったり恋愛だったり裏切りだったり妨害だったり、手が込んでくるとどんでん返しが入ったりととにかく様々な困難を乗り越えてラストシーンへとつながっていく。人の一生はまさにこれをやっているのだと。ひすいこうたろうは「だから人生は楽しいのです。必ずストライクの出るボーリング場なんか行きたいと思わないでしょ」と言うがまさにその通りだ。

この説で行くと、例えば人生には随所随所で様々なピンチが訪れる。これはもうゲームを楽しむためには必須にのイベントということか。また同じようにイヤな奴というのが大抵いつも何人かはいるものだ。「なんでこんな奴がいるんだ」と苦々しく思っていたが、ハリウッドに学ぶならヒールは徹底的に悪人でなければならない。ヒールが心優しい一面なんか見せてはいけないのだ。じゃあ今会社にいるいけ好かない連中も、改心などせずに今のままずっと悪人でいいわけだ。
「平穏な人生」などというのはどだい無理な話で、そもそも自分であちこちにわざとトラップを仕掛けてあるのだ。そしてゲームである以上ステージごとに難易度が上がっていかなければならない。自分の人生を振り返っても年々過酷さが増していったのはそういうわけだったのか。しかしそうなると70代、80代になるともっと難易度が上がるのだろうか。

話を戻すと最初のじゃあ「覚醒」って何?と聞かれれば、正確ではないだろうが「守護霊と交信ができる」というのがニュアンスとしては一番近いだろうかと私は思っていた。これは別に守護霊でなくても他の惑星の住人でもハイヤーセルフと呼ばれるものでも何でもいい。方法はわからないが自分の周波数を変えてそういう存在と交信(チャネリング)できることを「覚醒」とか「アセンション」とか呼んでいるのだろうと考えていた。
で、最近改めて「覚醒」するとはどういうことかと考えていて思いついたのは、
「ゲームをしていたことに気づく」
「自分が何者かを思い出す」
「ゲームのからくりに気づく」
ということなんじゃないかと。その気づくための方法として、「瞑想してたら答えが降りてきました」とか「周波数を上げてチャネリングして分かりました」とかいろいろ言う人がいるのだろうが、一つ予想できるのは、覚醒しようがアセンションしようが目の前の風景は何一つ変わらないのだろう。朝になれば電車に乗って会社に行かなければならないし、会社に行けばイヤな奴とか理不尽な事がたくさん転がっていて…。
しかしもし覚醒してこの世のからくりが分かったというなら、目の前の風景や環境は変わらなくても、そこで起こる様々な出来事に対する自分の感情、意識は大きく変わるかもしれない。バシャールが言うところの「物理的な分断」は全く想像がつかないが、次元上昇のゲートが閉まるとか、それはあったとしても現象として目に見えるものではないのだろう。

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