第四話 このままでは終われない

隣人トラブル

「今日中に電話します」 と市役所の人は言っていたが、なかなか電話はかかってこなかった。5時近くなったので、こっちから電話してみた。「●●はまだ訪問からまだ帰ってきておりません」 おおそうか、まだ調査中か・・・。でも市役所なんて5時過ぎたらたちまち終わっちゃうんじゃないだろうか。

おれは6時過ぎ、もう一度電話してみた。
するとさすがに帰ってきているようだった。しかし電話の声は朝と違い、えらくテンションが低かった。 
「ああ、行きました。それがですねぇ、こちらの質問にも淡々と答えるんですよ。息子さんの所在地もすんなり答えますし、それから昨日の件のことも言ってました。ちょっと脅かしてやったと。でも警察は来なかったと言ってました」
「痴呆とか脳梗塞とかの可能性は」
「いやあ、淡々と答えられるんでねえ・・・今すぐ保護というわけにもねぇ。自分で昨日のことも喋りだしたんですよ。ちょっと脅かしてやったと。警察は来なかったよ、なんて言ってましたけどね」

なんだと? ちょっと脅かしてやっただ?  警察は来なかっただ?
 「それはちゃんと判断できてるということですか。じゃあ我々が裁判を起こしても、ちゃんと事態を理解できるということですね」
「まあ分かると思います。驚くでしょうけどね」
「で、市役所としては今後どうするのですか」
「まあ息子さんには連絡しますので」 
「家族の人と直接お話したいんですが」
「いや、個人情報なので勝手に教えられません。私どものほうから今回の件は伝えます。でもその後、息子さんがあなたにコンタクトを取ってくるかどうかは分かりません」
「じゃあ、息子さんにはいつ連絡するのですか。明日してくれるんですか」
「いや、明日はちょっと。いろいろ報告書まとめたりみんなで今後のやり方を協議したりして方針出していくので」 
「じゃあいつ連絡をするつもりですか」 
「まあ近日中としかいいようがありません」

 なるほど・・・最初は最近の市役所は即日対応でフットワークが軽くなったもんだと感心していたが、結局最後は役所仕事か。もうこれ以上は期待できないだろう。警察はもう一度裏のオヤジがアクションを起こすまでは何も手出しができない。しかし「ちょっと脅かしてやった」だの「警察は来なかった」だの、ふざけるにもほどがある。ならばこっちは合法的に徹底的に戦うまでだ。

そして夜11時、おれは高校時代の戦友と作戦会議をやった。 まず「枝切りバサミ持参」「ぶっ殺してやる」→脅迫罪→刑事告訴 そして裏側の窓を板でふさいだ→改築費用+妻の実家から通勤するための交通費等々の実際に発生した金額、「妻が裸で窓を開けてこっちに見せてた」と触れ回ったことによる侮辱罪、名誉毀損、これらの慰謝料含めた損害賠償請求→民事訴訟
この2本立てで考えることにした。

戦友は「腕利きの弁護士、いくらでも紹介できる」と言う。よーしここでおれが頑張らなければ。戦いはまだ始まったばかりだ。

明日もつづく

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