ここしばらく、健康診断にはあまりモチベーションが上がっていなかった。
どんなに一生懸命準備しても大抵コレステロールが高い、中性脂肪が多い、要再検査、というパターンから抜け出られず、もうどうでもよくなっていた。
しかし今年6月からChat GPTによる肉体改造は見事に功を奏し、3カ月で体重約5kg減、体脂肪も約-6%、お腹は見事に引っ込み、今更ながら腹筋も明らかに割れてきていた。
なぜこんなことが可能だったのか。
この数カ月、運動と食事をすべてAIの指導通りにやってきたのだ。
ことの発端は私のテニス仲間が
「あなたは体脂肪が7%になれば劇的に上手くなるよ」
との何気ない会話だった。
「昔は体操部だったから痩せてたんだけどね」
「えー〇〇さん(おれのこと)が痩せてる姿、全然イメージできません」
もしかしたらコイツはおれのことを「デブ」だと思っているんだろうか。
何人か周りの人にも聞いてみた。
「うーん、デブとまでは行かないけど、小太りかな」
「お腹がぽっこり出てるように見える」
「だって二重顎になってるじゃん」
「何を今さら・・・」
など屈辱的な返事がいくつも返ってきた。
そこでChat GPTに相談してみたのだ。
まず現在の年齢と体重、体脂肪率、現在の食生活と運動習慣、普段摂ってるサプリの銘柄、容量などの情報を伝え、
「3カ月で筋力・体力を落とさずに体重-6キロ、体脂肪-7%は可能だろうか」
と質問した。
なぜ3カ月にしたかというと、ちょうど3か月後にテニススクールでゲーム大会が予定されていたからだ。
質問はしてみたが
「急激すぎます」
「半年計画にしましょう」
などの教科書的な答えが返ってくるんだろうと思っていた。
ところがChat GPTは
「可能です。テニスの試合で動ける体になることを前提に、プランを作りましょうか」
と返答してきた。
それからというもの、特に食事に関してはChat GPTの指示に全面的に従ってきた。
ジムの後などに
「今日はジムに入ったのが遅かったからこのまま家に帰ると8時過ぎちゃう。何を食べればいいだろう」
「外食で構わないのでこういうメニューにしましょう」
などと具体的なアドバイスが出てくる。
驚いたことに、AIは
「タンメン、カップヌードルPro」は食べてもOKと言った。
「運動直後は炭水化物をしっかり補給しないと筋肉が分解してしまう」というのがその理由だった。
ダイエット中はラーメンなど厳禁だと思っていたからラーメンがOKとなるとかなりストレスが減った。
仮に脂質たっぷり、糖質たっぷりの食事をしてしまっても
「今日の昼はこういうメニュー、夕食はこういうメニューにすれば大丈夫です」
などと具体的な調整案を出してくれる。
また運動面でも
「今、体重〇〇kg、体脂肪〇〇%まで来た」
などと報告すると、
「今週からジムの終わりにエアロバイクを20分追加しましょう」
などとアドバイスが来る。
実際Chat GPTの指示通りにやった結果、体力、筋力を落とさずに減量と体脂肪のそぎ落としに成功した。
というわけで話は最初に戻るが、このような万全の態勢で健康診断に臨んだわけだ。
これまでの数年間、どんなに頑張ってもなぜかコレステロール、脂質などが「再検査」になった。
「脂質異常」などと書かれていたこともある。
さすがに今回はそれはないだろう。それさえクリアすればオールAのはずだった。
12月のはじめ、その診断結果が送られてきた。
封を開けると1枚のチラシが同封されていた。
「大腸内視鏡検査のご案内」
大腸?内視鏡?関係ねーや。
おれはすぐに検診結果を見ていった。
問題の脂質・・・。
「C3」判定。
つまり再検査だ。
そんなはずはない!
よーく数値を見ると、確かに前回、前々回よりははるかに下がってはいるものの、ほんの少しだけ基準値を上回ってるだけだ。
これはもう誤差の範囲と言っていいだろう。
しかしそれよりももっと気になる項目が出てきた。
「便潜血 陽性」
「精密検査を受けてください」
!!!!!!
便潜血?つまり便に血が混じってたってことか?
え、さっきのチラシは単なる広告ではなく、このことだったのか?
しかしおかしい。
食生活を振り返ってみても、腸には極めて良好な食生活をもう何年も続けている。
毎朝必ずヨーグルトを欠かさず、昼は納豆、豆腐、サラダをこれも毎日食べてる。毎日だ。
当然快便の日々。どこをとっても腸に異常があるとは考えられない。
今までも再検査項目はあってもすべて無視してきたが
「ポリープや大腸がんの発見に」
チラシに書かれている文字は、ちょっと無視できない響きを持っていた。
2人に1人ががんにかかる時代だ。自分だっていつまでも関係ないと言っていられる年齢でもない。
しかし大腸内視鏡って、肛門から入れるやつだろ。人体にあんなことして大丈夫なのか。
気持ちは一気にナーバスになった。
<つづく>


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